その他

高次脳機能障害があるといわれましたが自動車を運転することはできますか?

もともと車の運転が好きだったという人が事故にあっていることも多い脳外傷者ですから、回復したら又運転したいという方が多いようです。年齢が若い方も多いので、運転免許だけでも取ってみたいという方も多いですね。 又、地方の方は、交通の便も悪く、移動手段にも困るので、自動車を運転をしたいとお考えの方が多いようです。

しかし、車はひとたび事故を起こすと、恐ろしい凶器であることを体験されたあなたですから、2度と事故を起こさない覚悟と、慎重な判断力や運動能力が要求されます。

制度的には脳損傷による障害が残った場合には、最寄の警察署か、自動車運転免許試験場(障害者運転相談)に、主治医の診断書を提出し、更新、保留、取り消しの判断を行うことになります。

以下のような状態が見られないか医師や家族としっかり相談してください。

  • 1)ボーとしていて、疲れやすく、居眠りをしやすい。
  • 2)注意が散漫で、他のことに気をとられやすい。
  • 3)場所の認識や地理的な位置関係の把握ができない。
  • 4)感情のコントロールが難しく、些細なことで、高ぶりやすい。
  • 5)記憶障害で、行動の途中で目的を忘れてしまう。
  • 6)状況を勝手に判断し、状況確認に時間がかかる。
  • 7)視野が狭くなっていたり、ものがダブって見えたりする。
  • 8)てんかんの治療を受けていて、運転中に発作の可能性が否定できない。

重度の脳損傷により遷延性意識障害といわれています。家族会はありますか?

有ります。各地で、活動しておられた以下の会の皆さんが、2003年に、全国組織として全国遷延性意識障害・家族の会を結成し、連携して活動を開始しています。

全国会会長は桑山雄次氏、事務局長は藤井恵三子氏です。TEL/FAX:03-3723-7275

  • 頭部外傷などの重度後遺障害者と家族の会 「わかば」
  • 山梨県遷延意識障害患者・家族の会 「木の芽の会」
  • 宮城県 ゆずり葉の会
  • 茨城県遷延意識障害患者・家族の会 「希望の会」
  • 頭部外傷や病気による後遺症を持つ若者と家族の会・意識障害部会
  • 交通事故後遺障害患者家族の会・意識障害部

私たちは厚生労働省に対して以下のことを要望しています。当面、急を要する要望事項1.遷延性意識障害者の実態調査を実施して下さい2.痰の吸引の研修を受けたヘルパーに認めて下さい3.メディカルショートステイ制度を作ってださい4.遷延性意識障害者を障害福祉の中にきちんと位置づけて下さい5.在宅支援モデル事業を実施して下さいその他の要望事項1.経管栄養など「医療行為」の研修を受けた福祉職へも緩和する2.遷延性意識障害を呈する入院患者について家族以外の付き添い看護の許可3.療育手帳(知的障害)取得条件の緩和4.24時間のホームヘルプサービスの全国的実施5.施設支援についての抜本的な支援策の検討6.日本意識障害学会や家族会を経由しての在宅での改善例の集積と分析

意識障害から何とか脱却させたいとおもっています。どのような方法が効果的でしょうか?

さまざまな刺激の与え方が意識の覚醒を呼び覚ますようです。

音楽療法、温浴療法、鍼灸療法など、各地でさまざまな取り組みが行われていますし、ご家族が懸命の努力をされています。

高次脳機能障害友の会に所属する家族の大半が、そのような経験をしています。何かご参考になる話があるかもしれませんので、各地友の会におたずねいただくことも、良いかともいます。インターネット上にも、多くの情報が載っています。

『大坂脳損傷リハビリテーションネットワーク』には、大変参考になる情報が載っています。

又、毎年行われる『意識障害学会』において、そのような事例発表もあります。

前述の全国遷延性意識障害・家族の会のホームページには参考になる情報が載っていますので、検索してご覧ください。

日本高次脳機能障害友の会以外の会はどのような活動をしていますか?

東京には高次脳機能障害協議会(TKK)が結成され、2006年現在、参加団体は以下の団体です。夫々の会が、会報の発行、ホームページの作成により情報提供しています。

又、東京都への行政交渉も活発に行っています。

  • 高次脳機能障害者のつどい「調布ドリーム」
  • 脳外傷友の会「ナナ」東京地区会
  • 高次脳機能障害を考える・サークルエコー
  • 高次脳機能障害若者の会「ハイリハ東京」
  • 高次脳機能障害者と家族の会「かつしか」
  • 高次脳機能障害者自主グループ「コージーズ 」
  • 高次脳機能障害若者の会「メビウスのWA!!」
  • 高次脳機能障害者と家族の会
  • 東京高次脳機能障害連絡協議

その他にも、横浜『はばたきの会』 仙台『高次脳機能障害・家族の会』 金沢『高次脳機能障害者と家族の会・つばさ』などがあります。毎年、各地に新しい当事者。家族の会が誕生しています。障害者自立支援法施行後は、高次脳機能障害者の支援。普及事業が各地で始まってくると思われますので、当事者・家族会の存在は大きな意味を持ちます。

新たな会が結成されていくことでしょう。あるいは、あなたご自身が会を結成したいとお考えかもしれませんね。微力ながら、お近くの脳外傷友の会がお手伝いいたしますので、一緒にがんばりましょう。

日本高次脳機能障害友の会は今後どのような活動をめざしていくのでしょうか?

当面の課題として、ネットワークの拡大です。

「高次脳機能障害友の会」を全国各地に結成したいとおもいますが、他の名前で、すでに立派な活動を展開していらっしゃる地域もありますから、そのような会の方々とも、連携し、情報を交換して、医療・福祉サービスの充実。当事者・家族の孤立状態をなくして、互いに協力して、いきたいと考えています。

毎年、各地で全国大会を開催し、交流会を行い、有益な情報の交換、時期にかなった講演会。シンポジウムの開催をしています。

この催は高次脳機能障害友の会・会員にこだわらず、すべての関心をもつ方に参加いただくことが可能ですから、お近くで開催の折はぜひご参加ください。

障害者自立支援法が2006年10月から施行されることになっていますが、もともと施設利用などがしにくい高次脳機能障害者にとっては、障害程度区分の判定が実際の生活の困難さを反映したものとならず、支援を受けられないのではないかということが危惧されます。

『必要なサービスを必要な人に』という、総合福祉の理念が実行うつされるような社会をめざし、他の障害団体と共に学び、ともに汗を流して、前進していきたいと考えています。それには、当面の課題として、連合体としての事務局体制の確立が必要です。

2007年、漸く念願の特定非営利活動団体(NPO法人)として内閣府から認証されました。

これを契機に、さらに活動の充実を図りたいとおもいます。多くの皆様のご支援ご協力をいただきたくお願い申し上げます。