理事長就任あいさつ

理事長就任あいさつ

日本高次脳機能障害友の会
理事長 片岡保憲

 

私、片岡保憲は、令和2年7月6日に開催されました、当法人理事会におきまして、前理事長の古謝由美の後を継ぎ、若輩ながら理事長に就任させていただくこととなりました。高次脳機能障害のある当事者と家族を取り巻く環境が大きく変わろうとしているこの時期であるが故に、その責務の重大さを痛感しております。

2000年に日本脳外傷友の会として設立された当法人は、社会に対して高次脳機能障害の理解を求めること、高次脳機能障害の正しい知識の普及と情報の提供を行うこと、当事者の社会復帰および社会参加の促進を図ること、当事者とその家族が安心して社会生活を営める環境を築くことに寄与すること等を目的に活動し、今日まで、高次脳機能障害支援モデル事業や高次脳機能障害者支援・普及事業等に尽力してきた歴史があります。

しかしながら、「高次脳機能障害」の診断基準が確立され、支援・普及事業が全国的に展開された今でも、高次脳機能障害がある人の支援や、高次脳機能障害がある人を取り巻く環境には、たくさんの課題が山積しています。例えば、全国に高次脳機能障害で困っている方がどの程度おられるのか、等の正確な実態把握ができていない現状の上に、未だ、社会には高次脳機能障害という言葉すらも周知されておらず、当事者やその家族に適切な支援が届いていない問題が存在します。医療的リハビリテーションや社会的リハビリテーションなどの充分な支援が受けられず、時間不足のまま在宅や職場へ復帰し、ドロップアウトしてしまう当事者が存在します。地域で診断書を書ける医師が不足しており、正しく理解されて高次脳機能障害の診断書や年金申請を記載できる医療機関や医師がみつからないという声も聞かれます。当事者を抱えている親世代から、親なき後の未来に対する不安の声が頻回に聞かれます。地域の受け皿が不足しており、日中活動や生活場面で孤立感を感じている当事者が存在します。また、高次脳機能障害のある人への対応や支援について学べる場は少なく、障害特性に応じた現場対応を身につけている支援者が少ない現状があります。さらには、高次脳機能障害が原因で軽犯罪等を累積しているケースも確認されています。

これから当法人は、こういった、高次脳機能障害の普及・啓発、医療機関と地域・福祉の連携、医師の診断技術、親亡き後の問題、生活・就労支援活動、社会的支援を行う支援者の育成、触法行為等の課題に対し、当事者・家族会として何ができるのかを熟考しながら活動していくことが重要であると考えております。

日本高次脳機能障害友の会が歩んできた歴史を礎に、当事者・家族会が抱えている課題解決に向けて、その使命を果たすべく努力していく所存ですので、前任者同様、今後も更なるご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

令和2年8月吉日

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